• きよ子

青い春を数えて/武田綾乃

更新日:2021年9月8日


☆百合関係:先輩後輩、友情、姉妹、

☆男女の恋愛:若干アリ

☆男女の性的描写:ナシ

☆女性同士の性的描写:ナシ


女子高校生の心の葛藤を描いた連作短編小説です。


「白線と一歩」…放送部のコンクールでトラウマを抱え本音を隠して過ごす知咲。放送部のエース有紗。内気で引っ込み思案な後輩・唯奈のお話。


「赤点と二万」…受験に必要ないからと生物のテストで毎回赤点を取る菜奈と、校内で一番頭がいい長谷部くんのお話。


「側転と三夏」…なんでも器用にこなし料理が上手な真綾は、勉強も運動も料理も何もできないけど愛嬌だけはピカイチの姉・咲綾に複雑な感情を抱いていた。


「作戦と四角」…眼鏡が大好きな泉は中性的な容姿で女子から大人気。最近コンタクトデビューをした同級生すみれとの会話を見知らぬ女子高生・千明に聞かれていた…。


「漠然と五体」…優等生でルールは絶対に守る細谷は学校をさぼってしまった。それを同じ学校の不良・千明に見られてしまい、二人の不思議な逃避行が始まる…。


特別収録

「そして奇跡は起きる」…「白線と一歩」に登場した唯奈のお話。

「青い鳥なんていらない」…「作戦と四角」「漠然と五体」に登場した千明のお話。



<百合要素>

恋愛的な百合はありませんが、少し依存のような先輩後輩の関係だったり、好きだけど嫌い!みたいな姉妹の関係だったり、短い時間の中の儚い関係だったりがとてもよかったです。※「赤点と二万」については男の子とのお話です。


<感想>

邪魔なプライドや、周りに対する不平不満、劣等感、承認欲求、他人から理解されない趣味嗜好、出せない本音、誰にも言えないけど心のどこかに抱えている闇みたいのが女子高生を通してわかりやすく描かれていて、その先に高校生らしい爽やかな光が見えるような作品でした。キラキラしてるだけが青春じゃなくて、心の中のドロドロが描かれているのがすごくリアルで、むしろそのドロドロこそが青春なのかもしれない…。本当にそこがうまく描かれていてすごい。「その日、朱音は空を飛んだ」と「愛されなくても別に」に続いてこれ読んだので、武田綾乃さんすごい…!ってなってます。

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